2009年2月17日火曜日

第87回ニューヨークADC展ゲスト講演会 備忘録

銀座クリエイションギャラリーG8開催、第87回ニューヨークADC展講演会行ってきました。

ゲスト(敬称略):
福田敏也(777interactive)
益田準也(777interactive)
田中良治(SEMITRANSPARENT DESIGN)
菅井俊之(SEMITRANSPARENT DESIGN)



下記テキストデータのみですが、備忘録。
ADCの審査背景などは後学として有用かもです。。


参照リンク:
なお、審査員を務めた福田さんが司会進行というスタイルで、講演内容は以下の順で展開されていました。
  1. ADCと広告周辺
  2. 受賞作品について Bravia-"Color Wall Project"
  3. 各人が取り組んでいる & 今後取り組みたいこと

--
冒頭:福田さん解説

The Art Directors Club(in NewYork) 以下N.Y.ADC
年間1万点もの広告作品が応募、うち入賞できるのは70点程度

N.Y.ADCの他にも名誉ある広告賞は存在する、RANNES・ONE Show‥など。
今回受賞したSONY製TV Bravia はインタラクティブ部門での受賞だが、インタラクティブ部門がカテゴライズされてなく、その代わりにクリエイティブ部門で受賞するものもある。

初めは自分は、ラジオ部門審査員になった。ただ、音媒体の表現の制約の中、イノベーションが難しい題材と感じた。
言葉の組み合わせは確かにクリエイティブの要素として有効だが、
金賞を与えられる作品にとっては、果してそれが金賞たる特例の所以でありうるか。

ADCは伝統を重んじるとともに、広告としてのクリエイティブさも求める。
GoldCube授与の意味 = 今年を背負うものを選ぶというプライド

印象的な作品の特徴は2点(例にUNIQULOCKを挙げて)
  • イノベーティブであるか?それは何かをインスパイアするであるものか?
  • アート性があるか?アートディレクティブであること。

審査の中には"揺れ"が存在する。
日本には良い作品が多い

UNIQULOCKは2008年カンヌでプラチナ賞受賞、ただしADCのゴールドではないのは?
これはメディアとして新しいもの、オンライン広告としての新しさはあったが‥
ネットワーク使っての技術がポイント

良いメーカーには車広告に多いが、高評価のWebサイトがなかった。
言ってしまうと、良くできた車のカタログ止まりという印象(3年前ならこれだけでもクリエイティブだったかもしれないが‥)


評価軸3つ
  • どう面白い?
  • どう評価されている?
  • どんな軸で作られた?
メディアとしての新しさも評価の一部だが、「人のつなぎ方」「ブランドファンドの作り方」も考慮されるべき

Online AD としてであれば高評価な UNIQULOCK
イノベーションとして評価されたのが SONY Bravia "
Color Wall Project"


他にも、斬新なコンテンツつくりをしてるブランドもある
California Fruits Milk(MicroSoft 制作のストーリーメイキングコンテンツ)
広告名:"Get the GLASS"
キャンペーン用に、オンライン上でユーザ参加型のすごろくゲームを公開
ディティールまで手の込んだFlash、87個の結末、練りこんだデザイン
公開直後から、この広告作品は何かしらの賞を受賞するだろうと予測できた

その他にも、N.Y.ADCの作品アーカイブを見てみると良い。



-- 以下、対話から抽出
-- Color Wall Project

福田さん(以下:F)
楽でなかった点は??企画段階の話も。

益田さん(以下:M)
SONYビルに色をのせる案の前の段階から。
2008年1月からプランスタート、4月に企画立ち上げ
WebでLiveColorを体験させるコンセプト

当初は、Web内だけで済ませるつもりだった。
以前、セミトラとアカリウムのプロジェクトで手を組んでいた時があって、リアルの喜びも試してみたいと考えていた。
SONYビル表面に設置されているLEDは、167万色の表示色を再現可能だった。

最終的には、SONYビル壁面の色をインタラクティブに変化させるというところに落ち着いた。
懸念は、本当にそれで驚かせられるか?

田中さん(以下:T)
抽象的なコンセプトの形化、プログラムで実現できるか?(前例ないので‥)
SONYビルとつなぐ、Braviaは赤をきれいに描写できるTVというコンセプトを活かしたい。
→再現力をそのままでなく、楽しんでもらえることを伝える。

初め、エンターテイメント性が乏しいのではないかという不安。
ビルの色変えるだけ?試してみたら面白かった!

F:
技術的なことはよく知らないのだけど、BraviaのWebサイトの左上枠(※ここにはTV広告が流れています)から広告動画の色をピックアップするのは難しいのでは?
そういった前例ないことへの挑戦なので、リスク管理は大変だった?

M:
何が地雷か見分ける・リスクの共有は大事だった。
クライアントともリスクを共有した上で、新しさを追求したかった。

菅井さん(以下:S)
プロジェクト動き出してからも心配はあった。
うまくいくかはその時点では何とも言えないことがある。
今回の担当範囲では、一人でやれること以上のことにも挑戦したかったので、外部からの協力も仰いだ。

T:
そもそもリアルとバーチャルを同じレベルで扱おうというところが、セミトラの始まり。
2000年頃は、そんなこと言われてもみんなからの反応は???だった。
今ならリアルにWebバーチャルが生活に侵食してきたからOK。

M:
アカリウムin表参道、でやったときの感覚。
Webの中で表現する気持ち良さがある。

F:
アカリウムでの満足感は、シンプルに「わっ!すげー!」とさせたところから?

S:ケータイでやったのが良かった(※Tel.で操作可能)。
身近なガジェットでできたところがGood
複雑なメカでできてたとしても、できて当然感が生まれてしまう。。

杞憂ではあったが、現場での作業時間が長かったので、仕掛けのネタばれは不安だった。
一番最初に動いたときはとても嬉しかった。

F:
シンプルの良さ、作品のどこがトリガーになるかを考えることは大事



-- 各自の活動について(近況・やりたいことなど)
F:
近作について聴かせて

T:
デザインからグラフィックに興味移る
1秒のシャッター速度でフォントを作成する試み
→フォントに時間軸をもたせる、という概念

Webはまとまったものをポンと出すイメージあり
広告との決別ではないと考えている

Type Designer's Club との関わりから、フォントデザインの発想
空間の曖昧さ、デザインのつながりをしたい

いましている仕事周辺は、あと数年したらやりつくされているという危惧がある。

F:
Webサイト制作では、アート寄り・ビジネス寄りの住み分けは感じたりする?

T:
アートよりもインターネット的な発想ベース
1日16時間はネット漬けで過ごしてきていた、知識過多な状況

子供ができると一気に現実へ
子供との生活情報は予めアタマに詰まっていて知っているようで、知らないことだらけ

S:
ビジュアル的なところ
Social HackingとしてのBravia

M:
ランナーがランニングコースを作る&シェアするWebサービス"Hello Runners Map"を公開
Google Street Viewerでコースの視覚化、Blogパーツで共有
サーバ上でアニメ化してくれるストリートマップ

行ったことない場所でも、自分が走ってみたいコースが作れる
Google APIでの制約は大変だった(データをローカルサーバ上に残せない、API叩きすぎはNGなど)

T:
やりたいことで、
シンプルなものに対してディティールを詰めていくことが好き
MashUp
・二次利用の概念はCMをカラーパレットとして使うなどにつながった

CMの素材、色を表現する
何で色を採るか?
きれいな景色の映像から採る案もあったが、SONYのLiveColorのターゲットとしては弱い→CM使おう

M:
リアルな体験をしている人にWebを体験してもらいたい

T:
世界の電波系にアプローチしていく。Twitter、ニコニコ動画など通じて。


** 以上。

対話の箇所は整合性とれてない部分、漏れ欠けがあるので、イメージだけ読み取ってもらえたらと思います。

2009年2月15日日曜日

workshop of CUUSOO LEGO @ elephant design

空想生活で知られるエレファント・デザイン社のワークショップに行ってきました。

開催場所は、五反田の東京デザインセンターです。
空想生活は購読しているメールマガジン"Design Association News"で知り、今回のワークショップのテーマが懐かしのLEGOということもあり参加に至りました。。


・elephant design 社の入口、空想生活家電がお出迎え


・ワークショップは解説→自己紹介→コラージュ→ランチタイム→制作→ショッピング(講評)の順で進行します。

4名、3名の計2チームに分かれてのチーム対抗。

テーマは"50ブロックでLEGOで動物を作る"、です。


下の写真は動物園にいるのはどのような動物??という振りから、コラージュしている様子。

ブックオフで仕入れた書籍のなかの写真を、じかに切り貼りしてきます。


・社内の作業スペースです。温かみのある白の内装が良いですね。


・今回自分が制作したのは3つのLEGO動物。

犬・アルマジロ・アルパカ‥‥のつもり。。

行き当たりばったりで作成していると、50ブロックという制限の壁がのしかかりました。

LEGOは性格でますね(^^;

うまい人の制作物をみると、うまい具合にデフォルメされていて、動物の特徴が見て取りやすいですね。ここら辺は以後、作る際の参考にします。


以上、ワークショップ体験レポートでした。


2009年2月8日日曜日

第12回文化庁メディア芸術祭@六本木国立新美術館 訪問録

メディア展の概要(下記引用):
世界44 の国と地域、2,146 点の応募作品から選ばれたアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガ部門の受賞作品と審査委員会推薦作品を合わせた172 点を紹介。

「受賞者シンポジウム」今年度の各部門の受賞者と審査委員によるシンポジウム。
「テーマシンポジウム」メディア芸術に関連するアーティスト、教育者、研究者らによるシンポジウム。

アニメーション、アート映像、ミュージックビデオ、 CM など、各部門から選ばれたさまざまな映像作品を上映します。劇場公開アニメも全編上映します。

さて、六本木のメディア展に行ってきました。
わずか2週間ほどの開催期間のせいか、はたまた文化庁挙げてのイベントだからでしょうか。。
非常に大入りのイベントで、30分待ちでようやく入れました。

1フロアということもあり、展示物の数量は物足りないかも‥という偏見は最終的にはなくなり、全体的に無料ではもったいないくらいの企画展だったと思います。

「インタラクティブ」や「インターフェース」というテーマで扱われるものが多いものの、触れて楽しいという意味では、万人向けの展示会でした。
このようなイベントは、思考や感覚をデザインすることに興味をもつ非常に良い機会と思います。


以下、所感と写真群
(係りの方に聞いたところ、本展示会では写真撮影OKとのことでした)

  • エントランス(PM15:00-16:30滞在)











  • インタラクティブな展示も至る所に展示され、気軽に触れる→伝わるの環境が整っていました。



  • 新しいものだけでなく、メディアアートの歴史的なものにも触れていました。
    廃刊そうな雑誌の内容が気になります‥。


  • 映像系作品、コマ撮りにした画像をなめらかにつないだ系の作品。
    いずれも手の込んだもので、観衆の足を止めていました。


  • 中村勇吾さんの作品、ギンザグラフィックギャラリーとで2回目の遭遇。
    インタラクティブ性の中に遊びのある、楽しませる要素が込められて素敵です。


  • たしかIPAの未踏に採択されていたプロジェクト"TypeTrace"
    キーボードの打鍵を記憶し、人が触れることなく、自動で文字を綴っていくプログラムでした。
    仕掛けには気になっていたのですが、IBM DeveloperWorks 記事のものに近いのかなと推測。
    人の感覚を操作するインタフェースには関心ありです。。


  • みんな大好きテノリオン。
    ICC常設展でも触れますが、やはり人気で待ち行列ができていました。
    iPod Touch アプリでも"paklSound"なるアプリ(紹介記事)が、テノリオンに似たインターフェースで気になりました。
    また、テノリオン近辺にはWiiの試用コーナーもあり、ファミリーが集まっています。











  • 人の型を点描するインターフェース。間隔をおいて周期的なイメージを描写していました。
    カラフルな影の印象。











  • モバイル端末からの入力データが映像と連動する仕組みらしいです。
    カラフルな水槽で疑似的な魚釣りができるような具合。











  • ARな作品もあります、箱の中のインテリアを魅せるところが気になりました。
    ARでは、つい先入観で、3Dとなるとオブジェの表面だけをどう加工するか、としてしまうところが、対象物の中にまで視点をもっていく手もあるのだと知りました。。











  • 砂のような細かい金属粒の凹凸に応じて、グラフィカルな等高線が表現されます。
    金属粒で高さを変えれば、即座にその情報が反映されている様子。
    情報を伝えるインターフェースの多様性に驚きです。











  • 視覚に訴える球体。下の写真は地球儀に見えますが、動作停止時は真っ暗な球体。
    1つのオブジェに多数のパターンの立体映像が映し出されます。
    そこにテキストが写されると、球面という特徴があって新鮮な感じです。











  • 対称性と反復を組み合わせて作品にされています。
    下の写真の場合は、マンションの夜景のシンメトリー。














  • インタラクティブなステンドグラスメイキングをビデオに収めたもの。
    学生展示会の中にも、見ていて引き込まれそうな作品が多数並んでいました。












簡単な所感は以上ですが、上記内容で触れたものは展示のごく一部です。
アニメ部門や、CG部門、エンタメ部門、先端技術コーナーに置かれたいずれの作品も、抜群の吸引力をもっており見飽きないものでした。

是非また来たいイベントです。


その他参照:

・GIGAZINE 記事

2009年2月7日土曜日

視覚化への関心

どのような作品を作りたいかを考えると、デザインとインタラクションができたら面白いです。
以下、気になっているコンテンツをまとめ。



※なお、上記 RobotGrrlの"fancy FFT"を動かそうとすると、"ddf.minim.analysis" not found とのこと。

blog "建築発明工作ゼミ2008"経由で、ライブラリ "Minim"と"Sonia"をインストール。。

ライブラリ "SoniaHelper"が not found なら"Code&Form Computational Aethetics"。

ライブラリを逐一Webから拾ってくるのは手間ですが、processingは便利なツールです。

Blogger Syntax Highliter