【Akamai勉強会】2009/12/15 at Yahoo!Japan本社
"1000万人の視聴を支えたアカマイ、インターネットの裏側"
アカマイのこと:
1998年にMITからスピンアウト
・仕組みの完成までに5年要した。
・初めはキャッシュサーバとして活躍した
Akamaiの由来
・Aから始まる社名にしたい
・MITで流行したハワイ語から命名
商用ウェブが不安定というのは考え物だったので、信頼性をサービスにという視点で考えた。
ISP間のコストの扱い方は難しい。
・デフォルトサーバの選び方。
・通常はBGPの経路に従う(しかし、ISPはコスト優先設計)。
経路が長くなるとパケット損失も起こりうる→信頼性低下にもつながる。
接続の遅延の解決策は帯域ではない。
→走る車の速さ(レイテンシー)に喩えて説明
分裂型ネットワークによる配信基盤の必要性
Akamai社情報
・クライアント3000社
・20000件のドメイン管理
・キャッシュ9M Hit
・2Tbps帯域
・1000万クライアントへの同時ストリーミング可能
2008年頃までは帯域 1Tbps程度
2010年目処にサーバ台数を倍にする予定(投資額を倍にも)
※なお、Akamai本社はデータセンターを持たない
増設の背景:
運用拠点の監視(負担増)とウェブのリッチ化(動画HD化)
HTTPリクエストを短時間に何回返せるか。
水平方向にスケールアウトする施策。
→サーバ1台のさばける量ではなく、系全体を考えて最適化する。
パフォーマンス課題
・キャッシュヒット率
・戦略的な選択がある
※サーバをばらまいてキャッシュ化すると、コストが高くつく。額を押さえるなら中央集権型。
キャッシュヒット率次第で階層を変えられる。
→ヒット率を10〜20%にすることでサーバロードOFFで負荷分散。
活性監視を互いにする(リージョン)
Overlay Routing:早いパスを選択する。
SSLの証明書は自ら取得してEdgeサーバを置く。
配信方法
・静的オブジェクト配信
・静的+動的のハイブリッド利用
・ストリーミング配信
顧客元Akamai化する前のサーバ=オリジンサーバ
オブジェクト配信をサイト配信へ切り替え
User-Agent -> Root Servers -> Customer DNS -> Akamai Root Server/Edge Server -> Origin Serverとする。
Video On Demand
スケーラブルかつ信頼性高いLiveStreaming
Primary Ex User -> Primary Entry point -> IR node -> Live flash Streaming Server -> End User
Akamaiと違法コンテンツについて→基本的にはデータ消さない
配信実績
24Mbps:86%
700Kbps:7%
数百帯域:6%
アクセス地域
USA:39%
メキシコ:14%
カナダ:7%
…
日本:4%
HTTP利用したストリーミングサービス
AmazonFMS
→以降デモ
【FAQ】
Q:Dynamic Mapping はどうしてる?
Aレコードを乗せて返す手法とは想像するが…
A:Akamaiに一番近いところを探すのには、クライアント寄りのIP見ている。
大雑把にIP見て絞り込み、次に容量負荷を見て空いているサーバを割り当てる。
東京のユーザ、大阪のDNSサーバなら大阪を見に行く。
自動的に障害状況を判断して、クライアントへURL発行する。
そのURL遷移でユーザのIPを把握する。
Q:他社のCDN屋さんとの関連は?
米国Lime Light社、韓国CD Network、米Level3とあるが、Akamaiの世界シェアは70%。
LimeLight社は自社ISP持っている。
他のISPさんと如何にPeeringするかが鍵。
Akamai社の強みは「SSL配信とOptimization策」
Q:サービスの提供価格は?
規模にはよるものの、一般には月1000万円から。
1年以上の契約を想定。
(※契約年数が長ければ、単価は下がるが長期でも2年契約の顧客が大半。これは何年も継続するWebサービスが少ないことにも起因)
営業としては月150万円程いただきたい。
コスト面は応相談。
スイッチルータ減らせるかや、システムの運用安定性の向上など。
なお、長期展望にもとづくため、財務体質が赤字のところへは取引できない。
YouTubeは昔はダメだったが今は取引可。
月100万円の規模感は、SONYのPlayStation、NintendoのWiネットワークに相当。
Q:リアルタイムトラフィックが来たときの対応は?
P2PならAkamaiはダウンロード型サービスを提供する。
Client Server Delivery
Q:Akamai Cloud Front(ACF)について、技術的には競合では?
ACFはS3での個人ユース、キャッシュのみ使用。
Akamaiはエンタープライズ。
Q:IPv6対応は?
R&D部門で対策、1〜2年後には対応予定。
Q:サイト単位で配信は?
PHPやShellスクリプトの処理はサーバ側。
URL返されるなら、URLごとにキャッシュしてしまう。
基本は動的コンテンツをスルーする。
Q:諸々にドメイン名の使い分けは?
用途ごとに。
・Edge Suite.net
・Edge key.net
・Edge fes.net
・Akadns
etc…
【Yahoo!オークション裏話(ヤフオクにおけるAkamai活用法)】R&D部門 武藤さん
ヤフオクの歴史
2000年8月〜 テスト
2000年9月〜 サービス開始
帯域:2Gbps/sec
hits 60000/sec(ページ数ではなく、コンテンツ数)
2002〜2003年 社内CDNプロダクト開発開始
2009年7月 移管完了(Akamai卒業)
社内移管の為、画像配信の効率化
㈰画質調整
㈪無駄なコンテンツをCDNから除去
㈫ブラウザキャッシュの利用
昔:画像配信の特徴
・1商品11サイズ、サイズ毎に画像ファイルを用意していた
・全画像をCDN経由で配信していた
(→URLは固定、TTLを短くして時間を短縮化で改善したが…)
・Akamai使ってもOriginServerの中で狂っていた
教訓:Akamaiは使うべきところで、使うこと。
Akamaiの長所
・ピークコントロール
・安定性
台風の天気、9.11のニュースなどの突発的高負荷時でも、AkamaiにTopページを渡せば、ノンストップで処理できた。
【最後に…】
Akamaiには監視センターから、ボタン一つでクライアント先のServer配信方法を変更できる仕組みがある。
OverHTTP:
HTTP上をラップして、コンテンツを配信。
Flash、SilverLightは同サーバ上で処理する。
サーバ台数はキャパシティプランニング。
突発的な人気コンテンツに対して予測して負荷対策。
5600台のサーバはすべて同時に制御できる。
全世界には4カ所。
・ボストン(ケンブリッジ)
・サンマテオ(シリコンバレー)
・バンガロール(インド)…ここは24時間稼働
・米国政府専用(場所非公開)…数百〜数千のDoS攻撃に耐えた実績あり
インターネット帯域消費はUSAが圧倒的に多い。
Akamaiのホームページは技術情報の宝庫なので、要参照のこと。。
以上。
ネットワーク業務を主に担当したことがなかった為、いずれの話題も新鮮です。
Akamaiを通じてインターネットの裏側を知る良い機会でした。
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