2010年8月26日木曜日

デザイン夜塾第6回講義録 - TeamLab猪子寿之さん

Twitterで猪子さんのbot発見、そこでピンときた言葉を引用。

本来インターフェースなんて必要なくて、ユーザーは思うがままに操作したいはずだけど、テクノロジーが未発達なので、仕方がなく使っている http://bit.ly/6kDtAK

第6回デザイン夜塾@デザインアソシエーション
http://www.design-channel.jp/special/academy/

チームラボの作品群と活動を通して、ものづくりへの”考えるヒント”を伺いました。


下記、メモ。

チームラボは、概念やテクノロジー、デザイン、アートを捨て、曖昧なところのものを(…)ウルトラテクノロジスト集団。

現在200名在籍、東京・上海にラボがある。


◇作品紹介①「TeamLabハンガー」
→ハンガーに掛けられた服を手に取ると、それを着た自分のコーディネート映像がスクリーンに投影される。




”New behavior, new interface”
服が気になったら手にとる
手に取る行為=情報行為

プロダクトは単なるネットワークの向こう側と物理世界の我々のあいだに、仕方なく存在するインターフェースとして、再構築してみる実験。

プロダクトの価値≠ハードの機能
プロダクトの価値=ソフトやプロダクトデザインの場、という仮定式を成立してみる


◇作品紹介②:「コレカモネット
→Twitter上のつぶやきで、東急ハンズや無印良品の在庫商品が推薦されるリコメンドbot

自然言語検索&擬人化


◇作品紹介③:アニメーション・ジオラマ「花と屍」2008.12.12.-12.21
→日本の文化をフランスで展示、プロダクトの映像空間演出

空間の付加価値=映像デザインや物語を加えること


~花と屍(HANA TO SHIKABANE)~ from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介④:「100年海図巻」
→全長23mの"コ"の字型の壁への投影映像作品、10分間。

100年間で海面水位が100センチメートル上昇した様子をイメージ

昔の人の空間認識は現代人のそれとは異なっていたはず
現代は西洋的なレンズ・カメラ・ビデオを透しての認識感に慣れている

見る場所が固定しているのは西洋的
View Point が定まらないのが東洋的ではないだろうか?

壁面のつなぎめの角で波が曲がらないような錯覚を見せる

日本的空間認識の再評価の実験


百年海図巻100years sea from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑤:「空書」
→2007年、書の再構築

メディアの中心は紙からデジタルへ。
かつて古代の人々が、亀の甲羅に文字を書いたときに起きた変化と同様に、書を再構築したらどうなるのか。


mudai(kuhsho) from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑥:「スケッチピストン
→参加可能なメディア

2010年、日テレダベアのTopページやワコムタブレット”Bamboo Play Room”
落書きできるWebページ、描いたペンやスタンプで音を載せられる仕掛け。

おしゃれなものより、ユーザ参加の方が嬉しいのでは?
できなかったことをできるようになると嬉しいという体験から


◇作品紹介⑦:「CountDownJapan 08/09」
→ユーザに焦点を当てた企画、ダンス風景をスクリーンに投影

映像でダンスフロアを囲む


countdown 08/09 from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑧:「TeamLabボール」
→1個直径1.5メートル程の球体
触ると色が変化する、内蔵の無線装置で1つの球体の色が変われば、他の玉の色も変わるP2Pのような仕組みも搭載


TEAMLAB Ball02 from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑨:「舞踊、早乙女太一」背景映像作品
2010年、背景映像を提供。役者の動きに併せて、舞台背景の映像”華・竹やぶ・川”が連動。
舞踊と一緒にしたことで、ライブ感を演出。


インターフェースデザインはメディアアートと曖昧になる。
メディアアートはソフトウェアやテクノロジーによる。
これまでの切り分けの概念は意味をなさなくなるのではないか?

これからは「おもろ(おもしろ)ハイテク・おしゃれハイテク」が鍵になると考える。

【Q&A】
・質量があるとダサい?について
→上海万博のUKの展示物が好み。軽い。光る。風にたなびく。解体して持ち運べる。




・発明発想の原点について、クライアント要請から作る?アイディア先行?
→技術先行の場合もある。やりたいことは沢山あるので、それにマッチすればベスト。

・本質的なもの
→茶室が好き。形式よりも表面。なんでその文化が重要なのかの意味が大事。
西洋はバランスとれる美しさ、東洋はバランスを崩したとことに美しさを見出す文化。
本質を変えないものが良い。

・他社のコラボは?
メディアアート系他社をリスペクトするが、一緒にはやらない。
予算、時間に限りあるため。
自社でできない遠い分野の専門家とはコラボする。


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メモは以上です。


下記個人所感。

作品①:
ユーザの持ってる服画像をまとめてDB登録しておけば、店舗商品との組み合わせがしやすそう。今までは脳内で済ませていたようなことを可視化するのはアリかも。

作品②:
東急ハンズの在庫DB気になります。
巨大在庫で商品提供力のある店舗とネット活用の好例かと。

作品③〜⑥:
デザインできる方々がうらやましいです。
スクリプト書くだけで終わらないFlash界は奥が深くて…

作品⑧:
Arduino好きです、電子工作萌え。

2010年8月17日火曜日

LaserTagで遊ぼう。

LaserTagで建物にバーチャル落書き、こんなことできます[YouTube]。
国内編
海外編

基本的な設定手順(日本語)は下記リンク参照。
http://www.web3dnews.org/archives/2009/03/untite.html

アプリケーションDLはこちら。
http://muonics.net/blog/index.php?postid=26


ソースはC++で書かれていて、openGLとopen frameworksで実装されてるとのこと。
WebCam上の輝度いくらの光源を点で認識するプログラムの感触、open frameworksだと早く動作して良いなぁ。


用意するもの
  • LaserTagアプリケーション
  • WebCam(今回はMacbookなので内蔵)
  • LEDペン
  • プロジェクター(これは外で建物に投影する際に必要)

今回はプロジェクター無しの場合。

部屋を暗くして、WebCamに移される映像範囲内でなぞられた
REDペンの軌跡が、下写真(右上部)のようになぞられます。






























外にプロジェクターを持ち出して、建物の壁を巨大なキャンバスにしてみるのも爽快ですね!

2010年8月14日土曜日

"これも自分と認めざるをえない展"





…言い換えれば、指紋や静脈といった人の「属性」が一人歩きする社会が身近に迫ってきていると言えるのではないでしょうか。「自分」を形づくる要素を探る作品を通して自分自身を発見する機会。(配布資料から)

東京ミッドタウン・ガーデン内 "21_21 DSIGN SIGHT"にて。
本展ディレクターは佐藤雅彦先生。




題材になっていた人の属性は以下のもの。
  • 指紋
  • 虹彩
  • ふるまい
  • 思考
  • 声紋
  • 鼓動
  • 耳紋
  • 輪郭















仕組みは、
  1. 入力装置で情報入力
  2. ネットワークを介して内部データベースと照合
  3. 照合結果を出力装置へ反映
となっていると考えられるものの、入出力装置が見慣れない機器のため新鮮な感覚です。

気になったのは虹彩認証技術を利用した作品「覗かれ穴」と「2048」
※虹彩認証:虹彩は、人間の眼球の黒目の外側にある部分。眼球に光を当てることで、黒目が収縮する際に虹彩にわずかな皺が生じるため、それをカメラで撮影し、データ処理を行うことで個人情報を識別する。声紋のように年齢を重ねても特徴が変化しないため、認証率もトップクラス。
http://www.cgm-japan.com/technique/eye.html

「覗かれ穴」は、小さな隙間から静止画を覗く人がいま見ているポイントを、その人の視点を追跡して、見ている本人の後ろのスライダーに映像として描写するというもの。

「2048」は会場入り口で採取した入場者虹彩情報から、0と1のみの数字を円形状に配列して個人を特定できるようにする。ここで、スクリーン上に並べられた数字を黒板消しで消していっても、大部分が消されない限りは本人と認証されることが分かる。


各展示の技術やデバイスがアート的なコンセプトとともに体験できるイベントでした。

2010年8月10日火曜日

九門崇先生セミナー参加録

講義中心であるものの、4〜5人ひとグループでのディスカッションもあり、考えながらのセミナーでした。
今回はWebとあまり関係ないのですが、アジア隣国とのビジネスは切り離せないと思うのでログを残します。

下記メモ。

2010/8/7(Sat.)@JobWeb 九門崇先生
14:00-17:00

JobWebセミナー「アジアの新興国で必要とされるグローバルリーダーシップと、その磨き方」

イベントURL:
http://www.jobweb.co.jp/gift/seminar/new_seminar/1374/

九門先生執筆記事「中国から探るグローバルビジネス」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20080923/100464/


Quiz: 次の数字はなんでしょう?
1)日本:1、インド:25、中国:5
2)日本:9、インド:45、中国:27
3)日本:500、インド:1500、中国:1700

Hint:
HBS(ハーバードビジネススクール)に関連

Answer:
1)HBS における国別の教師人数
2)同上生徒数
3)HBS エグゼクティブコースにおける国別収益

2030年GDP予測
中国1位、インド4位

2010年8月現在での世界携帯電話所有者数=50億人超(全人口うち7割)
ちなみに中国内のみで8億人
新規契約数は2010年6〜7月で5000万台
※先進国・新興国の対の中でも価値観の多様化が起きている


中国No1の家電 蘇寧電機
・日本ラオックス資本に29%出資
・家電量販店から免税店へのシフト
・秋葉原ラオックス本店の店員のうち4割が中国語を話せる

グローバル企業の付加価値
語学だけではない
◇アリの視点、鳥の視点
難しいといわれる点
・代金回収
・模倣品
・…
→上手くいかないのは本当に市場のせい?

Work(1):
Q1「中国で日本企業がビジネスで成功するポイントを3つ考えてください」
Q2「ビジネスに成功するには現地の人をトップにしたら良いか?Yes・Noの視点で」

挙げられた意見:
A1:
・流通
・市場ニーズ
・商習慣を理解する人材
・文化
・ステークホルダー(日中両政府含む)への関わり
・現地network
・リスク対応(為替変動、商習慣、法制度の変化)

事例:
化粧品メーカーFANCLの成功要因
1)"無添加"コンセプトの輸出('94〜)
2)香港展開
3)高級感(日本の1.6~1.7倍の価格で、この価格は輸出&利幅のせているため)
4)広告での知名度向上策
※補注
1)
日:肌の弱い人のため
中:肌に良い
4)
判断の早さ:南京路年間契約5000万円/を即決
銀座4丁目FANCLをフラッグショップとして展開

A2:
・Yes側:
マーケットへの中国人への理解
労働者の団結心
暴走のリスク(ブレーキかけられる人材がいれば抑えられる)
・No側:
CFO、製造責任は日本人に
バリューを生み出すラインは扱いづらい
もてなし、暗黙知は伝達困難

商品をどうするか(製造ラインも変わるが…)
商品をどう売るか?(既存ものの販売戦略)
→現地人トップは増えていく傾向が続く

Point
1.マネジメントの現地化
2.マーケティングPR
3.現地法人への権限委譲

解説1. マネジメントの現地化
共通公用語100名うち2名は駐在員
2010.6.29 日経新聞
・地方政府の関係つくり
・日系企業以外の営業
・地方代理店の活用
・人材育成/採用/評価
・メディア対応
→日本人だけでは対応しきれず

事例:
SAMSUNG、現地専門員として20代から現地に派遣する
Google:
MS元中国R&Dセンター長"カイフ・リー氏"
2005年〜からの高額オファー
中堅メーカー(オーナー系)
・5000名社員うち日本人は10名(経理・技術指導)、総経理は中国人
・スキルシート、人事システムは一部日本式
・日本語を公用語にして社内教育も実施
→現地人トップまたは留学生トップとする傾向も増える

解説2. マーケティングPR
中国広告
・外資は日系広告より100倍程度費用が高い
若者人気のVELO(維絡城)
・クーポン発行時(ケータイ端末)
・日中ボーダーレス

解説3. 現地法人への権限委譲
スピード感が肝。
1.執行役員が現地で決裁
2.上海を第2本社化 ex)大手消費剤メーカー
3.台湾系、オーナー系

Work(2):
Q:貴方が考えるグローバルリーダーとは?
挙げられた意見:
ジェフ・イメルト(GEのCEO、地球全体でビジネスを構想する)
李健煕(イ・ゴンヒ:サムスン会長、グローバルな企業展開)
ビル・トレイン(アシヨカ財団(?)、世界単位でなく価値枠で。次世代リーダーの育成)
ビル・ゲイツ(寄付活動、福祉貢献)
孫正義(ソフトバンクCEO、東西の文化を知る、国に縛られない投資も)
etc...
※民間・非民間問わず

日本のグローバルリーダーは?
1971年TIME誌"SONY盛田氏"
現代…
1970年代で止まった?

Q:グローバルリーダーに必要な条件やスキルは?
先生のコメント:
・自分のルーツを認めること
・相手より先に自分の価値観を理解していること
・自分の哲学やプリンシプルに従って自らの意見を言えること
→多様性"Diversity"は「競争」から「調和」へ。
グローバル=自分が何人であるといった文化枠に囚われないこと
自らへの問いかけ:
・そのイメージは普遍性のあるものですか?
・あなた"らしさ"とは?
・あなたの付加価値は?
・如何にしてビジョンを伝えますか?

◇GIFT事例
中国プロジェクト概要
西安市のオーガニックコットンを市の中心産業とする。

日本の今後の活路:
課題先進国として諸外国へのノウハウ提供
・大量輸送
・都市圏の人口増化
・社会の高齢化
・環境問題対策
日本の強み:
・タイムマネジメント(鉄道網のダイヤ作成、交通遅延情報、、)
・省スペース

グローバルな個人に向けて必要なもの:
Soft Skill
・知識
・コミュニケーション
・エンパシー
Basic Skill
・語学力
・専門性
・自国文化歴史への理解
その他大事なもの:グローバル体感力
・気づきの場に参加する
・外国人旅行者の多い地域を観察する
・留学生と交流するetc.
講義録以上。

【所感】
・リーダーって単語から"項羽と劉邦"が連想される単純な頭の中。
・某企業は、仮に世界政府が存在するとして、それが行うであろうことを実現するという。仮想政府として彼らは統率はするだろうが…迷い子ホイホイ。
・故人いわく未来に向かわないものは往々にして無意味とのこと。普遍性大事。

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