2009年12月4日金曜日

UCS2009 トークセッション聴講録

ユビキタスコンテンツショーケース2009 - 生活に溶けこむコンテンツデザイン展 - 
2009/9/15 at JASMAC八雲(東京)

イベント詳細は下記yusukebeさんエントリにて。
http://yusukebe.com/archives/09/09/14/150315.html

魅力的な作品群が展示されており、インタラクションデザインについて良い機会でした。またSFCの先生方の話しから、今後の情報技術とデザインを取り巻く環境について多くの学びをいただきました。

以下、トークセッションメモです。


【小川克彦先生講演】"ケータイの使われ方について"

ケータイラボ主催
3年前までNTT勤務

2000年 メール
2005年 写真
2010年 映像
(NWが太くなるならサービスも変わっていく)

2000年 iモード
2005年 mixi
2010年 YouTube,Twitter

→おしゃべり道具、コンテンツ配信としてはさほど普及しない。


ONとOFFの世界

ON LINE :ネット世界
OFF LINE :リアル世界

儲かる儲からないの軸であれば、ONの方が儲かるビジネスが多い。

例:
ON(電話、メール、iモード、Web)>OFF(電話帳、手帳、カメラ、ゲーム、音楽)

ゲーム、DSの普及
2015年までにはON/OFFが融合される予測

→人と人をつなぐメディアへ



















SFC卒、濱野智史氏いわく「同時場所・時間に一緒にいるような感覚=疑似同期」

"疑似体験”をウリとする研究事例

・Mail Robot
パペロ(NEC製)

メールをロボへ送るとリアクションする
ロボの目はカメラ
→子供が保育園にいる様子を、遠隔で視ることが可能

エージェント機能を備える

・Bike Wave
昨日の友と自転車で競争
(前日通った経路で疑似競争)

・Pod Walk
知らない街を誰かと歩くような疑似体験
(映像と録音技術による)


これからコンテンツに求められる"MSIE"
・Message
・Story
・Identity
・Experience


管理職のためのゲーム
仕事を割り込んで分断していく→マルチタスクになる。

※緩いつながりとメッセージが大事



【奥出直人先生講演】

"Towards Degital Design Aethetics"

考えるデザインの母型を生んだ男
レイモンド・ローウィ
ラッキーストライクのデザイン考案者
アメリカの大量生産/消費社会の代表的デザイナー

T型フォードの頑健なモデルからチェンジ…
GM社:消費財としての自動車を定義(女性向け・色・型)

Apple2のデザイン
iphoneの前身のApple電話
→レイモンド・ローウィの手法


ネットワークや生活の中に入っていく美学はどこにあるのだろう?という思索


どれが良いデザイン?
デザイン学校で評価される一見美しいデザインはそれでいいの?
・伝統の踏襲
・外部評価は高い
・あまり先を拓いていない…


Machine tool(機器を作る機械) and Mold tool(金型)
かつてのインダストリアルデザインはこの両輪があってこそ。


ソフトサス氏
真っ赤なバケツのタイプライン(タイプライターの話)

Indivisual Desinger

イタリア的 Post Modern = 左翼的、みんなを幸せにするもの


メンフィス氏=機械に合わすのが嫌
→ポストモダン。1980年代。


→やがて、機械時代は終わった
我々はどこへ行くべきか?


ワイザー氏提唱のユビキタスとPCパーツのコモディティ化。
そこにデザインはない、機能を提供する部品しかない。

(製造工程にお金のかかる)MechaneToolとMoldTool不要でパーソナルで製品を作れる時代


IDEO(昔、その倉庫裏にはメンテナンスフィーが高価なMachineToolがあった)

メインフレームはPCへ置き換わる
工場はよりパーソナルなものへ。


機械に合わせるのではない。身体に合わせる。
木工造工とNWつなぐのが強烈
→自分の身体が媒体になる。

インターフェースがなくなる。
ここが、ブレークスルー!

例:1本の棒を揺するだけ等身振りでインタラクションとか。


Bruno Munari氏の美学
身体とデザインを研究した。

→機械の制約を抜けたところにデザインやスタイルがある。

・自在に操る
・身体性が戻る


移動する個人が集団として形成する社会の仕組みをデザインする。

Q:ARについてどう思うか?

A:コンピュータがなくなることでユビキタスは達成される。
この先にあるものがAR。これのより、インターフェースがなくなる。

Q:ケータイ電話のデザイン・コンテストについて

A:デザインコンペはあまり意味ないが、サービスコンペには意味がある

オープンイノベーションは面白い、例えばAndroidのアプリコンペ等。

ケータイの可能性として、キャリアなしのサービスモデルがあると良い。
※これには課題が山積みだが、NOKIAがやけっぱちでやったら面白い


【インタビュー】

(小)
幸せな経験
行動経済学・Activityでつながる

ユビキタス・コンテンツ
経験の意味とは?

慶応150周年ケータイをデザインせよ
使う人が幸せな気持ちになるには?

例:
SFC生が卒業した人ともつながれるもの?
自分の学生生活の記憶が残るもの

求めるられるのは時間のつながり。


(奥)
ユビキタスコンテンツ
経験大事

新しい経験をできる指導

IT技術の進歩のせいでレベルアップ
無駄使いと幸せは相関

学ぶと良いもの
・マーケティング
・ブレーンサイエンスと行動経済学

カレッジリング(ヘルスケア):老人施設を大学内におく試み

学生に経験価値を与えるには?
経験価値の上げ方
・Sense センサー技術(暑い、寒い…)
・Act 行動する(アクチュエータ)
・Think 推測(リコメンド)、統計
・Release つながる(人とモノ)
・Feel 心の中の動き

上記、ITの貢献
4つのパラメータを使って"Feel"を与えるというフレームワーク


ARで拡張されるものは何?

何かを何を?
舞台を決めて、○○物語をつくる。

今、求められるのは情、人情。


エンゲルバートが拡張したかったのは知性

自然資本主義
・Economy Path
・Sustainable

エネルギーも大事だがヒューマンリソースも大事

社会の危機感(HRが欠けているが、それを補う社会自体も壊れつつある)

個体を束ねるのは集団であり、国家・社会
社会システムへの問題


移動体をもつ個
ニュートンの力学=近代国家

今後とも取り組むべきVisionは?


(小)
マイミク何人?みんなと合わせるとWeになるの?
運命共同体、仮想世界のWeという視点。

Crestoの情、情のつながり
感じたものを伝える


(奥)
緩いつながりでは、一人で生き、一人で死んでいく個人

近代社会、個の確立
かつて社会の中で得たものが得られなくなる。

もう一度古いコミュニティへ戻ることも…。


ソーシャルキャピタル
コミュニティを強調すると昔に戻る。

如何に緩い関係を維持する鍵はITにあるだろう

緩い繋がりを語る上で影響を受けた書籍
・ガルシア・マルケス「百年の孤独」
・村上春樹「1Q84」


1955年生まれが世界を変えた
ビルゲイツ、ジョブスもそう。

神戸大震災以前は物語がなかった。

at ウィーン
建物が自由、緩いつながり
ダボス会議
経済学者他の科学者
新しいNWができていくという場

→空間時間の緩いつながりを通じて情を伝える、デザインする時代へ。

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